夢のはじまり。 22歳「いつか社長になるために
岩崎社長は、大学卒業後、結婚し平凡に暮らすが人生の目標とおっしゃいました。しかし、偶然の出会いが彼女の心の中に夢を抱かせました。
Q：大学卒業後、有名旅行会社に入社、その後広告代理店に転職、営業本部長の出世街道を歩まれている中、なぜ 37歳で、ゼロからの起業を決意されたのでしょうか。
A：私は北海道の小さな町に生まれました。当時は女性が会社の経営者になることは、なかなかありませんでした。短大を卒業後、JTB札幌支店に就職し、 週末はスキー三昧。そして結婚して子供を授かりました。職場で活躍する女性に憧れていましたが、一生同じ職場で働きたいとは思ってはいませんでした。しかし、同郷の先輩の存在が私の人生設計に大きな変化をもたらしたのです。
同郷の先輩は酪農家の長男で、家業の農業を継ぐのが嫌で、大学には行かずに高校卒業後に起業し、22歳で成功を収めました。
ある日、突然、オープンカーでJTBのカウンターに来た先輩を見かけ、今までにない大きな衝撃を受けました。テレビやニュースで見かける成功者が、私の同郷とは夢にも思いませんでした。
その時、自分は自分に言い訳をしながら大きなチャレンジをしていないことに気が付きました。
「彼にできるなら、私にもできるかもしれない！」同郷の先輩との出会いが、22歳の私の心に「いつかは起業しなければ」という夢を抱かせたのです。
現実と理想のギャップ。臆することなく挑戦する37歳
岩崎社長：広告代理店に勤めていた頃、仕事に集中するあまり、肌荒れがひどくなりました。まだ35歳なのに40歳以上に見られ、いろいろな製品を試しましたが、肌の状態は一向に良くならなかったです。その時、自分に合った製品がないのなら、自分で作ればいいと思ったのです。
当時の私は、化粧品のことをよく知りませんでした。メイク落としに多くの石油系界面活性剤が含まれていて、肌に負担がかかるとは知りませんでした。
多くの化粧品メーカーを研究とリサーした結果、最もよく耳にしたのが、「スキンケア製品を作るなら、売れている商品の真似をすればいい！」という言葉でした。
それを聞いてがっかりした私は、自分の肌の悩みを解決するために、営業本部長として安定を捨て、起業する決意をしたのです。化粧品業界のことを知らなくても、良い原料を肌の事をきちんと考えれば、知識ゼロでも理想的な製品ができるはずだと確信したのです。
理想の製品を作りあげる為の高い壁
岩崎社長：製品開発にあたっては、市場調査を行います。例えば、日本で最も売れている洗顔料の価格帯は1,200円程度です。コストを優先して製品を作ると、鉱物油や油性界面活性剤など、他社製品と同じ成分を使わざるを得ませんが、実際、これらの成分を長期間使用すると、肌へのダメージが大きいのです。コスト意識は大切ですが、価格にとらわれることなく、理想的な製品を作ることを目標にしました
製造工場探しでは、「今流行っている成分を入れないの？ 」や原価と売価のバランスが通常の商品とは違い、いろいろな心配とご指摘をいただきました。
しかし、理想的な製品を作るためには市場に出回っている製品とは違っても、意志を貫くことが重要でした。そして、その意志はちゃんと貫き、洗顔料4,000円と市場とは違う高価格の商品が出来上がり、ヒット商品となりました。
理想の会社づくりに挑む会社理念
岩崎社長：私が勤めていた広告代理店では、社長以外は若い女性が多く、毎晩夜遅くまで仕事をし、仕事と生活の両立ができない社員が多くいました。私は営業部長として、社員がどんどん辞めていく状況を変えようと交渉しましたが結果、何も変わらず、優秀な女性社員は結局退職していきました。そして自分が起業したときには仕事と生活のバランスが取れる企業にしようと心に決めたのです。
我が社では、子供を持つ社員が心置きなく働ける職場づくりの一環として、ベビーシッターの補助や17時には退社し、保育園にお迎えが行ける退勤時間の設定、時間単位での有給休暇制度など、自分の経験をもとに。我が社なりの制度を作りました。
たった1人の悩みを解決することで、世界中の人たちの幸せに貢献する
お話をお伺いした、岩崎社長が貫かれた多くの「理想」は素晴らしいMANARA製品や、働く社員の環境を作り上げました。健康的な肌は、健康的な会社の製品から生まれてくるのだと心から感じるお話でした。
岩崎社長の会社の理念である「売れるかどうかよりも誰か1人の「本当に欲しい!」を大切に」この思いが累計1700万本を超える大ヒット製品を生み出したのだと思います。
