世界トップのライブ販売市場がある中国は、さまざまなKOLと呼ばれる、販売型インフルエンサーがいます。
中国ライブ販売で1日で約7億5000万円売り上げるKOLもいます。
多くのライブ販売がスマートフォンのアプリ閲覧することができ、日本人でも簡単に閲覧ができるようになりました。
そして、日本のデパートや観光地などでも見かける中国人がスマートフォンへ向かって熱心に話している姿の多くは、その場からライブ配信を行っていることが多いです。
私は2018年頃より、自身の取引先のKOLなどのライブにゲスト出演を多くさせていただいています。
自身の経験から最近の中国人のライブ販売の裏側をお届けします。
どんどん来日するトップKOL達
最近の中国人の入国緩和により、日本へ来日するKOLが増えています。
彼女達は取引する日本企業からの「召喚状」によって商業目的用のビザを取得して来日します。
昨今の情勢もあり、来日スケジュールが決定していても日本入国ビザがおりず、来日がキャンセルになることも多々あります。
中国では、コロナ禍の3年間でライブ販売ができるプラットフォームが拡大し、新しいKOLが登場しました。
コロナ前までは、ライブ販売のプラットフォーム=淘宝(タオバオ)でしたが、今は各KOLによって様々なプラットフォームでライブ販売を行います。
中国TikTok(抖音)のトップKOLの「陶然」
コロナ禍の後、私へ一番初めにライブ販売のゲスト出演を依頼してくれたのが中国TikTok(抖音)で活動する陶然さん。
彼女は北京のテレビ局のアナウンサーでもあり、中国TikTok(抖音)アカウント開設時から人気のあるKOLです。
現在、中国TikTok(抖音)では美容商材を中心に、コンテンツ配信とライブ販売をしています。
コロナ前まではKOLさんのライブ販売などで来日するスタッフは多くて4名程度なのですが、今回の陶然チームは総勢10名ほどで来日され驚きました。
KOL本人、マネージャー、ディレクター、商品担当者、機材担当、ヘアメイクなど、テレビ番組の制作現場と同じ光景です。
どんどん進化するライブ販売
コロナ前までは、来日するKOLはiPhone1台に三脚を立て、モニター代わりにiPadが置いている程度のライブ販売でしたが、現在はゲーミングパソコン並みのスペックのパソコンを経由し、プロ顔負けの照明機材。しかしカメラはiPhone。
なんだかとてもバランスの悪い光景ですが、これが主流です。
iPhone1台でライブしている時代でも、綺麗に見えるように照明にこだわっているKOLさんも多くいましたが、現在はライブ配信の最中に、常に顔が美しく見えるように加工するため、長いライブではスペックの高いPCが必需品となってきました。
そして、コロナ前までにはなかった、ゲスト出演する人の認証も必要です。
私はライブの度にパスポートの提出と、ライブするアカウントのスマートフォンから顔認証を行います。
テレビ番組のようなライブ販売の台本
トップKOL達は、売っている商品への知識が大変に高いです。
どんな質問にも即座に答えられるように、弊社商品の場合は、事前に商品勉強会を行います。
そしてライブ販売の前は、チームで今日の販売する商品の流れ、予測できる質問への回答準備、売り上げ目標などを細かく打ち合わせします。
おそらく生放送のニュース番組やテレビショッピングと同じ方法なんだと思います。
中国のライブ販売では長時間配信するため、KOLは話しっぱなしです。
紹介する商品知識は、永遠に話し続けられるだけのメーカー顔負けの知識と対応力があります。
どんな商品でも、KOL達の知識と言葉によって、ますます輝かせて魅力的な商品への進化させてくれます。
日本には無いスタイルの、中国ライブ販売
中国にはテレビを持たない家も多く、時に若者には必需品家電ではありません。
そのためスマートフォンが彼らのテレビでもあります。日本の若者も同様ですが、中国では年配の方もスマートフォンをテレビ番組代わりに見ています。
私はチャンネルを回すと、目に入ってくるテレビショッピングをついつい見て購入してしまうことがありますが、中国のライブ販売では同じようなことだと思います。
そして中国のライブ販売を見る時は、プラットフォームへログイン済みのことが多く、ショッピングカートへ動線ができています。ついつい「ポチッ」と衝動的な購入が簡単にできてしまいます。
日本と大きく違うのは、そのあたりなのではないかと思っています。
中国と同じようなライブ販売のプラットフォームがまだまだ登場しない日本では、インフルエンサーが小さなテレビ局になることは、まだまだ難しいのだと思います。