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【中国最新SNS事情】やりすぎSNSへイェローカード

近年、中国政府はインターネット業界の規制を強化し続け、特にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)分野に焦点を当てています。2023年3月には、中国政府が一連の新たな政策を発表し、SNSへの監視をさらに強化しました。
特に2023年の「清朗」という中国政府による特別計画に従い、中央インターネット情報局は、即日(3月2日)より2か月間、「清朗・厳格にSNSの乱れを整理する」特別行動を展開します。
具体的に以下のような内容を実施します。

●フェイク情報拡散の取締

SNSでのデマ拡散の取締

虚偽の事件や奇妙な話をでっち上げ、事件の原因や詳細、進行や結果を捏造し、根拠のないデマを作り出すこと。
次に、古いニュースや出来事を集めて再加熱し、異なる場所のニュースをつなぎ合わせ、無関係な人物や画像、音声・動画を悪意ある関連付けで、虚偽のニュースを作り出すこと。
そして、「国学经典」や「红色文摘」(古典文化や文化大革命関連)などの名目で、先輩革命家の詩や言論をでっち上げること。

「フィルタ式」写真も虚偽?!

過度な角度で撮影し、情報を伝え、以下のような写真で中国で大きく話題になっています。

小红书プラットフォームによる「フィルタ式」の宣伝が繰り返されるうちに、ユーザーはもはや我慢しきれなくなっています。過去の歴史から、「フィルタ式」の宣伝は随所で見られ、小红书のマーケティングに基づいて商品を選ぶことが、事実と現実が大きく離れているのがネットへの不信感が強がっています。

SNSで有害情報の作成に対する取締

公共政策、マクロ経済状況、重大な災害事故、社会的なホットイベントなどに便乗し、意図的に文脈を切り取り、事実を捻じ曲げ、攻撃を行い、感傷的な演出や対立を煽ることで、党や政府のイメージを損ない、経済社会の発展を妨げる有害情報を作成する行為の取締。

SNSでの悪意ある煽りの取締

デマ、虚偽ニュース、有害情報を知っているか知るべき状況であっても、引用や転載、タイトルで煽る、類似の文書を集中的に公開、複数のアカウントで連携して投稿するなどの手段で拡散を行う行為。
デマや虚偽ニュースがすでに明らかにされ、有害情報が確認された状況で、それでも盲目的に追従し、他人の言葉に同調して、デマや虚偽ニュース、有害情報を拡散する行為。

●なりすましSNSの取締

アカウント名情報を利用して偽装・模倣するSNSの取締

名前、アイコン、プロフィールなどのアカウント名情報で、同じか類似した名称やマークなどを使用し、政党・軍・政府機関、事業体、ニュースメディアを装ったSNS。
次に、県レベル以上の行政区画の地理的名称を無断で使用し、一般大衆を誤認させるSNS。
そして、アカウント名の変更、個性的な署名の修正、新しいユーザーアイコンの設定などの方法で、公式機関、ニュースメディアのスタッフやその他の特定の人物を装うSNS。

情報コンテンツを利用して偽装・模倣するSNSの取締

いわゆるホットイベントの当事者、親族や友人、関係者からの情報リーク、救助要請などのコンテンツを虚偽に主張するSNS。
次に、公式ニュース会見や発表の一部を改ざん・切り取り、偽の発表などの情報を作成・配信するSNS。
そして、ライブ配信やショートビデオの背景で、テレビニュース番組と同じか類似したセットを利用するSNS。   

専門資格のない偽装・模倣を行うSNSの取締

教育、司法、医療などの分野での資格がなく、無断で「教師」、「教授」、「弁護士」、「医者」、「医師」などの肩書きを使用し、子育て、教育心理学、法律解釈、事件分析、医学知識普及、疫病状況解説などの専門分野の情報を配信するSNS。

●SNSで違法な荒稼ぎ行為の取締

SNSのホットトピックに便乗してフォロワーを増やす行為の厳重整頓

公共政策や社会的な話題を不適切に評論し、曲解し、片側的に解釈することで人気を集め、商品やコース、サービスの販売、ユーザーからの寄付を受け付け、有料相談を開始し、ライブ配信で商品を紹介するSNS。
また、災害や事故の現場、ホットスポットイベントの発生地、関連人物の周辺などでライブ配信や動画撮影を行い、災害を消費し、流入を増やすための名目を利用するSNS。

「イケメン経済」も取り締まり対象に!

旅行業者はここでさらにユニークな道を見つけました―旅行+「イケメン経済」。
現在、ホテル、民宿、キャンプ場などの投稿で、筋肉質のイケメンをフィーチャーした「イケメン経済」カテゴリの投稿が次々と登場しています。

●人工的に急上昇ワード作りへの取締

SNSでホットトピックを作成し、トラフィックを稼ぐ行為の厳重整頓

重大な事件の発生後に悪意を持って推測し、陰謀論を広め、関連情報を収集する方法で一般大衆の感情を刺激し、二次的な世論を作り出す。
次に、民間経済、家庭の対立、結婚と出産などの高い関心を持つトピックを選び、議論を呼び、誤解を招く発言を行い、対立を煽り、社会的なコンセンサスを引き裂く。
そして、公共の秩序や道徳に反する「励志ネットアイドル」や低俗なキャラクターなどを作り、注目を集めてトラフィックを獲得する。

SNSで弱者を利用してトラフィックを収益化する行為の厳重整頓

高齢者をだまし、誘惑して動画撮影やライブ配信を行い、インターネットユーザーからのいいね、寄付、寄付金などを騙し取る。
次に、障害者を欺いて、悲惨な状況を売り、悪ふざけや虐待などの違法で非道徳的な方法でトラフィックを獲得する。
そして、未成年者の心身の健康を無視し、未成年者を利用して利益を得る。

●どんどん厳しくなる、配信時の取締

コンテンツ審査

ネットワーク情報コンテンツの審査を強化し、虚偽情報、低俗なコンテンツ、暴力・テロ、ポルノなどの違法・不適切な情報を取り締まります。
SNSプラットフォームには、自主審査を強化し、コンテンツ審査メカニズムを整備することが求められています。

実名制

実名制の要件を強化し、SNSユーザーに登録および利用時に本人確認を行うよう求め、ネットワークの実名制度を徹底させます。

データセキュリティとプライバシー保護

SNSプラットフォームに対するデータセキュリティとユーザープライバシー保護の要件を強化し、プラットフォームがユーザーの個人情報の安全を保護し、許可なしにユーザーの個人情報を収集・使用・販売することを禁止します。

未成年者保護

未成年者のネットワーク保護を強化し、SNSプラットフォームには未成年者保護メカニズムを設立し、未成年者の利用時間を制限し、未成年者に不適切なコンテンツを提供することを禁止するよう求めます。

プラットフォームの責任強化

SNSプラットフォームが社会的責任を果たし、積極的に社会公益事業に参加し、ポジティブなエネルギーを伝播し、健全なネットワーク空間を構築することを強調します。

●出る釘は打たれず、抜かれる中国SNS

今後、中国で莫大な利益を得ていたSNSクリエイターたちは、取り締まりが厳しくなる中で、適切な情報発信に努めることになるでしょう。
それに伴い、広告主はブランドイメージの維持が容易になり、信頼性の高いクリエイターとのタイアップが一層求められることになります。
今後のSNSの活用方法について、ブランド側、広告主、クリエイターたちは大きな試練に直面しながら、整ったネット環境へと移行することが期待されていると考えられます。

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Vivian Chou

Vivian Chou

Community leader

20年前から日本最大級の在日中国人コミュニティを運営。 アリババコスメバイヤーマネージャー、広告代理店アライドアーキテクツ株式会社、SNS関連の新規事業など経て、グロービス経営大学院InternationalMBA取得、株式会社NUESEを創業、インテリジェンスな日中関連の女性を活用し、インフルエンサーの育成を初め幅広い事業展開を行う。

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