今のリアル中国を知るWEBメディア 

She LIFE

「本音と建前」に苦労…中国人留学生の日本での就活とは? 

4月は職場、学校など新たな環境に挑戦する人の多い時期です。
新型コロナウイルスの影響により受け入れ数は減少傾向にありますが、現在も多くの中国人が日本に留学しています。
2022年度に実施された独立行政法人日本学生支援機構の調査では、約10万人もの中国人留学生が大学・大学院などに在籍しています。
前回は教育競争に耐え抜いた中国の大学の卒業式文化について紹介しました。
今回は日本の大学院を卒業した中国人留学生の進路についてインタビューをもとにご紹介します!

日本と中国両方で就活?留学生の選択肢

日本では大学3年生の2,3月から、大学院生も同様に1年の2,3月から就職活動を始めます。
そして6月までに内定をもらう学生がほとんどです。
一方、中国ではインターンシップが選考に含まれている場合があります。
3年生でインターンを経験してから、その企業から内定をもらうという流れです。
また日本の大学に通う留学生が中国で就職する場合、4年生の6月から10月にかけて帰国し就職活動をするようです。

マイナビ国際派就職

中国人留学生は3年生の2月から4年生の6月まで日本で就活をしたのち、6月から中国で就活をすることができるということです。
しかし今回インタビューをした中国人留学生は、日本での就活が非常に大変だったことから、中国の企業は受けなかったようです。

本音を言ってはいけない?日本企業の不思議な面接

日本の文化とも言える「本音と建前」。その文化に採用面接を受ける中国人留学生も苦しんだようです。
「あなたが嫌いなことは何ですか」という質問は、就活定番の質問ともいえます。
さらに「その嫌いなことをどう克服しますか」と聞かれるまでがセットです。
彼女は「嫌いなことはやりたくない」と感じていたようですが、本当のことを話してはいけない日本の就活のルールに困惑したそうです。
これは留学生だけではなく、日本人の就活生も不思議に思う文化だと思います。
また、「なぜ〇〇なのですか」といった質問にも苦労したようです。
素直に答えてはいけない難しい質問が多いことから、あらかじめ「正直に言わない日本人の考え」を真似して面接の練習をすることが大切と話していました。

留学生だからこそ感じた就活の壁

インタビューを受けてくれた留学生は、就活を始めるタイミングで日本の企業に入社することを決めたと話していました。
しかし両親は今も中国に帰ってきて欲しい思いがあるそうです。
また留学生だからこそ、多くの日本人が感じることがない困難もあったようです。
彼女はマイナビやリクナビといったサービスを利用して、国籍を問わず雇ってくれる会社を探していました。
そして企業の説明会の際に、会社に外国人が働いているかどうか質問をして、内定を貰えるかどうか確認していたようです。
国籍の制限が無くとも外国人の働いていない会社では、エントリーシートは通るけれど面接で落とされる場合が多いと話していました。

このようにグローバル化が進む日本であっても、留学生にとっては国籍や出身の壁があることがわかりました。
しかし今後、中国語・日本語・英語を操る留学生の能力が、より評価されるようになっていくのではないでしょうか。

日本語能力や知識の差も感じた就活

大手企業の場合は、面接の他にグループディスカッション形式で行われる場合があります。
自分自身が留学生であっても、他の就活生は日本人であるため、専門的な単語が理解できないといった日本語の壁があったといいます。
実際、ディスカッションでは半分も聞き取れなかったそうです。
日常生活で使わない日本語や専門的な単語などが多く飛び交う中で、外国人だからと開き直るようにしていたと話していました。
さらに最終選考で筆記試験をとる企業があり、習っていない日本の歴史や欧米の歴史などが出題されたことがあったようです。
また作文を書くこともあることから、どのような形式で選考が進んでいくか調べておくことが重要だと話していました。

REDBOOK(小紅書)

日本での就活をどう乗り越えるか

今回インタビューをした中国人留学生は、日本の大手企業から内定をもらったそうです。
中国でも有名な企業に入社できるということで、非常に満足そうに話してくれました。
日本語を上達させることだけではなく、「本音と建前」を知った上で面接対策を行っていくことも重要であるとインタビューでわかりました。
そのために留学生コミュニティなどで繋がった学生や日本人に、エントリーシートや面接の相談や練習をしてもらうことが、就活を有利に進めていくコツだといいます。
今後、コロナウイルスにより減少していた留学生の数が戻っていくと考えられます。
採用する企業側は、能力のある外国人留学生を雇用していく体制や、選考基準に関しての分かりやすい整備化が、ますます求められていくのではないでしょうか。

関連記事

PAGE TOP

中国マーケティングや中国SNSについてお気軽にご相談ください。

お問い合わせはこちら