ゼロコロナ政策が緩和され、経済の回復がそれぞれの企業で急速に行われている中国。
中国ECイベントの中で「独身の日」は中国のビッグイベントで世界的に有名ですが、3月8日の国際女性の日も女性をターゲットとしたセールが行われ、毎年盛り上がる時期です。
今回は、国際女性デーである中国のイベント「三八婦女節」とともに、中国で盛り上がるセールイベントをご紹介していきます。
日本では馴染みのない「国際女性デー」とは
日本でも新たな文化にしようという動きがある3月8日の「国際女性デー」。
1904年、アメリカで女性の参政権を求めたデモが起きたことをきっかけに、女性の権利や政治・経済などの社会への参加を推進していくために国連によって制定されました。
国際女性デーには、ミモザの花を女性に贈ったり、中国では女性向けのパーティが開かれたり、女性労働者は半休になるなどの待遇があり、とても賑やかな日です。
日本ではまだまだ浸透していませんが、SNSや国際女性デーのイベントなどをきっかけに、日本の男女に浸透していって欲しいですね。
中国で行われている女王節セール
女性に向けてのパーティや贈り物など、中国では賑やかになる「国際女性デー」ですが、デパートやネットショップなどでも大々的なセールが行われます。
ネット通販大手のアリババは、2015年から「女王節」としてセールイベントを始めました。
もともと男性から女性にプレゼントを贈る日というイベントの印象でしたが、近年経済的に自立している女性の増加に伴い、日頃頑張っている自分へのご褒美に商品を購入するという傾向に変化してきています。
そのため、女王節セールで焦点にされる商品が、スキンケア商品やファッション、健康食品などとなっています。
他のセールと比べると…?
2022年のダブル11(双11)やダブル12(双12)、さらに海外のブラックフライデーでさえセールスの成長鈍化が進んでおり、そのため女王節セールも成長鈍化を見せています。理
由として、新型コロナウイルスの影響もありますが、ダブル11(双11)、ダブル12(双12)、618、女王節など、基本的に毎月セールがあるので、イベントのプロモーション効果が低下していることが考えられます。
网红(ワンホン )として知られる李佳琦も毎日ライブ配信を行っており、現在消費者にとっては毎日がセールの日となっている悪循環が起きています。
毎日がセールイベントであれば、セールイベントがないのと同じだからです。
何かと増えている中国独自のセール
三八婦女節やダブル11など、昔からあるイベントはもちろんですが、中国では独自のセール日がどんどん増えてきています。
その一部をご紹介していきます。
バレンダインデー(情人節)
中国のバレンタインデーは2月と8月で、1年に2回あります。
2月のバレンタインデー は西洋のもので、8月のバレンタインは旧暦の七夕である7月7日を祝うように区別しています。
日本の女性にとって羨ましいと感じるのは、日本のバレンタインとは違い、プレゼントは男性から女性に送られることです。
なので、この時期になると薔薇の花束を持って歩くカップルが多く、薔薇の価格も急騰します。
薔薇の本数にもよりますが、この日に限って2倍以上の価格がつきます。
中国では送る花の本数で各々意味があり、99本の花束は「末長く・永遠の愛」という意味で、イベントごとには99本の花束を男性が女性へ送ることも多くあります。
通常の99本の花束の価格は600元前後なのに対し、バレンタインデーには1,200元以上の価格になり、男性側は頭を抱える時期なのであります。
517吃貨節
2014年より始まったイベントで、中国語の我要吃(ウォーヤオチー)と517(ウーヤオチー)の発音が似てることから、美食家や食べることが大好きな人たちへ向けたイベントです。
美食家へグルメ料理を激安価格で提供したり、ネット通販会社も食品企業とタッグを組んで食材やお菓子のセールを行い、ネット上で話題となっています。
520(ネットバレンタインデー)
520は毎年5月20日に行われるネットバレンタインデーで、中国の我爱你(ウォーアイニー)と520(ウーアーリン)が似てることからできたイベントです。
歌手の呉玉龍が歌ったネットバレンタインデー の主題歌である「ネットバレンタイン」の中で、「5201314我爱你一生一世」の影響により、5月20日13時14分に愛を告白したり、プロポーズをするカップルが増えました。
また、5月20日に1314元や520元などの電子マネーを男性から女性へ贈るカップルも多くいます。
618
618はJDが創業した日で、JDが大規模なセールを行います。
ダブル11(双11)と618は何が違くて、どちらがお得なのかという質問がよくなされますが、ダブル11(双11)はT-mallのイベントで、618はJDのイベントとなり会社が異なります。
なので、618のイベント時にはJDで購入するとお得にお買い物が楽しめますよ。
ダブル11(双11)
ダブル11(双11)は、アリババによる毎年11月11日に行われる「独身の日」を祝うイベントです。
もともと中国の11月11日は「光棍節(こうこんせつ)」と呼ばれ、光棍は独身者を意味します。
ダブル11(双11)がイベントとして大衆に広がったのは、南京大学の独身の学生たちのお見合いパーティがきっかけでした。
この日に、独身同士がプレゼントを交換するなどのイベントを開催しているのがメディアに取り上げられ、2009年にアリババ 集団は、11月11日に大規模な販促イベントをECサイト上で開催しました。
近年では独身の日という意味合いより、各企業が大規模な値引きセールを行うので、ショッピングデーという印象が強くなっており、世界的に注目を集めるイベントとなっています。
ダブル12(双12)
ダブル11(双11)が終わってからすぐに始まる年末のイベントであるダブル12(双12)。
ダブル12(双12)は、T-mall(天猫)以外の個人店舗を対象に誘致を行い、「淘宝(タオバオ)」が2012年からスタートしたイベントです。
近年、BtoCオンラインショップの中で年末の最大イベントとして成長しています。
悪循環?増えすぎているセールイベント
新型コロナウイルスによる景気の低迷や経済的ストレスなどにより、中国人の消費は昔のような加熱ぶりはなく理性的になってきています。
またどんどん増える中国のセール日によって、消費者にイベントのプロモーションが効果的に届けられずに、悪循環となってしまっています。
ライバーも毎日のようにお得情報を配信しているので、消費者にとってセールイベントがないのと同じ感覚となっていて、現在1回のセールスイベントの影響力は低下しています。
そのため、今後は別の方法で消費者に魅力をアピールする方法を見つけなければなりません。
ゼロコロナ政策緩和の後で景気回復を図る中国で、今回の3月8日女性の日セールや今後の中国のセールスイベントに注目が高まります。