中国は化粧品の大量消費大国であり、現在アメリカに次ぐ世界で2位のマーケットです。
中国国民の生活水準の向上により消費者の経済力と消費概念がどんどん変化し、化粧品へのニーズがより高くなってきています。
そのため、ジョンソン&ジョンソンやロレアルなど海外大手ブランドは中国美容マーケットに最も注目しています。今回は、2022年中国で最も売れた海外化粧品ブランド、ベスト10をご紹介していきます。
No.1 ロレアル(L’ORÉAL Paris)
世界のトップ化粧品グループであり、中国でも圧倒的な人気を誇るロレアル。
2020年から2022年の売上高3年連続No.1で、2022年の1〜9月までの売り上げ額は286億ドルとなっています。
特に中国で人気な商品は、「リバイタリフトマスク」と「ユースコードプレエッセンス」です。
「リバイタリフト」は、つけてから一晩で若返るという乾燥肌の救世主として大変人気です。
最大の魅力は、エッセンスとシートパックが別れて包装されており、中国の消費者から品質や衛生の面で安心と支持されています。
「ユースコードプレエッセンス」は、ロレアルの主力商品です。
上記の写真は、デザインや成分などを改良した3代目で、若い世代のアンチエイジングエッセンスとして安定した人気を誇っています。
No.2 エスティーローダー
2020年と2021年の双11(ダブルイレブン)で売上No.1であったエスティーローダーは、主にスキンケア商品が人気です。
中でも35年のベストセラーである「アドバンス ナイト リペア SMR コンプレックス」は、25歳以降のアンチエイジングアイテムとして使用している中国人女性が大多数います。
美容のニーズがどんどん高まっている中国ですが、それと同時に敏感肌も増えています。
それらの女性の肌コンディションを整えてくれるスキンケアとして大人気です。
アドバンスナイトリペアシリーズのアイジェルは、エッセンスのベストパートナーと言え、多くの消費者が購入しています。
携帯やPCなどから発するブルーライトから目元を守るために誕生したアイジェルクリーム。
潤い成分もたっぷり入っていて、美しい目元へ導いてくれます。
No.3 P&G
P&Gはヘアケア商品が中国では人気で、スキンケア製品も近年成長しています。
2021年の美容事業の売上高は916億1,000万元で、前年比7.92%増でした。
P&Gは、2022年に新しい化粧品部門Specialty Beautyを設立し、スキンケアブランドのTula Skincare、ヘアケアブランドのOuai、スキンケアブランドのFirst Aid Beautyが含まれています。
SK-Ⅱの北米チームも新しい美容部門に加わり、注目を集めています。
No.4 アモーレパシフィック
アモーレパシフィックは韓国のトップスキンケア&コスメブランドを多く運営する企業です。
中国だけでなく日本でも人気が高い「LANEIGE(ラネージュ)」は、中国のオンライン販売での成長が著しく、アモーレパシフィックの主力ブランドの一つです。
また誕生からの歴史が長い雪花秀(Sulwhasoo)は、高麗人参の成分だけではなくボタンや地黄、ハスの実などの肌を元気にしてくれる成分を配合し、製品をアップグレードさせています。
アモーレパシフィックは、韓国・中国・フランスに研究センターを持ち、高品質の天然成分と高度なバイオテクノロジーを組み合わせて、持続可能な製品の開発を絶えず行っています。
「アジアの美しさ」を世界と共有することをコンセプトに、新しいイノベーションで世界の美容トレンドを今後もリードしていく企業です。
No.5 資生堂
資生堂は中国でも非常に人気があり、中国人女性が日本の化粧品やスキンケアを初めて使う時に選択枠として、必ず資生堂を選びます。
2021年度、中国の資生堂の売上高は151億4,100万元で、前年比の16.5%増しとなりました。
資生堂の数あるブランドの中で、最も代表的なスタートアイテムは「アルティミューン パワライジング コンセントレートⅢ」。世界で18秒に1本売れているという驚異のスキンケア商品です。
使うたびに肌のコンディションがよくなって行くので、季節の変わり目やストレスなどでお肌の状態が不安定な時に重宝する商品です。
こちらの「BOP アドバンス スーパー リバイタライジングクリーム」は、資生堂の高い技術内容を盛り込んだ製品であり、世界中のビューティーアワード賞を獲得しています。
中国では、「白富美」というインターネット用語が近年流行ったように、肌の白さがステータスとなっています。
こちらのクリームは、美白を必要とする全ての人のために資生堂が開発した独自の美白処方であり、中国で大ヒットを記録しました。
No.6 LVMHグループ
LVMHグループ(LouisVuitton Moët Hennessy)は、世界で最も有名なラグジュアリーブランドを扱う企業です。
ゲラン(Guerlain)やFreshなどのスキンケアやMake Up For Everなどのメイクアップ商品、Kenzo Parfums、Parfumes Loeweなどの香水を取り扱っています。
ゲラン(Guerlain)はLVMHグループのトップスキンケアブランドで、その中でミツバチのパワーを使った「アベイユロイヤル」は主力の製品です。
しっかり肌に潤いを与えてくれるので、スキンケア後のメイクの仕上がりも艶のある肌となります。
ゲラン(Guerlain)ほど知名度はありませんが、Freshも中国で人気のあるスキンケアブランドで、ショッピングモールの中に店舗が必ず入っています。
Freshの中でも人気商品なのがローズシリーズの製品で、保湿やくすみの改善・抗酸化効果が期待できます。
Freshは敏感肌でも使え、妊娠している女性でも使用できるスキンケアブランドです。
No.7 LG生活健康
韓国の化粧品グループ「LG生活健康」は、2005年以来売上高を更新し続けています。
中国では、LG生活健康の高級ラインである「Whoo」や「Sumi37°」、「Ouhui」が好成績を納めています。
中でも代表ブランド「Whoo」は、アリババやTiktokなどのライブ配信をうまく活用し、爆発的な売り上げを上げています。
「LG生活健康」の化粧品は、アジア人の肌のために作られており、女性の美しい人生を応援するスキンケアブランドです。
No.8 コティ
コティはフレグランス業界の先駆者として知られるフランソワ・コティ氏によって設立されたフレグランス企業で、世界の美容業界のリーダー的存在です。
フレグランスの他に、誰もが知っているラグジュアリーブランドの「GUCCI」や「BURBERRY」「Tiffany」などもコティの扱うブランドです。
中国では、「GUCCI」が依然として人気のブランドで、「GUCCI」の化粧品は香水の売り上げを上回っています。
もともとラグジュアリーブランドを好む中国人から、コティは圧倒的に支持されています。
No.9 ユニリーバ
中国のラグジュアリー美容マーケットは大きな可能性を秘めており、ユニリーバもそこに注目し、美容への投資を増やしています。
近年買収したAHCやHourglassなどの高級ブランドとともに、ユニリーバ独自で開発研究し立ち上げた新しいブランド「K-BRIGHT」を打ち出しています。
「K-BRIGHT」は、ソウルやロンドン・上海・バンコク・シンガポールから多くの美容業界専門家を集め、3年の時間を費やす独自の処方でブランドを誕生させました。
肌に載せた瞬間、ハリや透明感がアップしたと感じられ、キメの整った女性の肌へと導いてくれます。
2018年に発売されるやいなや、美容業界から多くの注目を集め、美容ブロガーのお墨付きをもらっている商品です。
No.10 ジョンソン&ジョンソン
世界トップの製薬会社であるジョンソン&ジョンソンは、日本のメディカルコスメ「ドクターシーラボ」を2016年に買収し、日本以外のマーケットの総代理となっています。
「ドクターシーラボ」は、ジョンソン&ジョンソンの主要な成長柱となっていて、2017年の美容製品売上高を7.8%急増させ、同時期の市販薬事業を上まりました。
特に人気を博しているのは、「ラボラボ スーパーKEANAローション」
インターネット上で多くの消費者の目に留まり、tmallに参入してからわずか6ヶ月で累計30万個を販売した実績を持っています。
どのブランドも世界一流ブランドばかりな中国外資コスメ業界
今回は2022年に中国で売れた海外化粧品ブランドベスト10をご紹介しました。
中国では、もともと海外化粧品ブランドが根強い人気で、ラグジュアリーなブランドを使うことがステータスである傾向があります。
近年中国国内の化粧品ブランドも成長してきていますが、日本を含めた海外ブランドは、今後も中国人消費者から支持され続けるでしょう。