2022年12月より、中国で行われていた「ゼロコロナ」政策が全面的に緩和されました。
それに伴い、中国国内では新型コロナウイルス感染者が急増し、解熱剤や抗原検査キットが不足するなど混乱が続いています。
そんな中、中国のネット上で出てきた「みかんを食べると新型コロナウイルス陽性になる」「PCRテストをする前にみかんを食べるな!」というニュースです。
果たして、中国のネット上で出回っている偽陽性についての真相はいかがなのでしょうか。
みかんを食べて抗原検査キットが陽性になるのは本当?
中国のネット上で、みかんの絞り汁を抗原検査キットにたらして結果を待つと、赤紫色の線がTとCの両方に現れたとの投稿がありました。
これを見たネット上の人々はパニック状態になり、みかんを食べるのが怖いという人も現れたほどです。
それと同時に、抗原検査キットの結果の信頼性にも疑問を抱き始めた人も多くいました。
みかんを食べる前・みかんを食べた後・みかんの汁を直接抗原検査キットに垂らして実験した内容のSNS記事が多くアップされ多く人の恐怖心を煽りました。そしてどのSNSの投稿も結果は、陽性は出ませんという内容のものばかりでした。なので一般的に、みかんを食べて抗原検査キットを使用しても、結果に影響を与えることはないと言えます。
みかんで抗原検査キットが陽性になるのは無効
中国の記者が救急病院を訪れ、専門医にインタビューしたところ「抗原検査キットでオレンジジュースを使用し陽性が出ても、結果になんの意味も持たない」と回答しました。
抗原検出の正確な検査結果を得るためには、正確な順序でのサンプリングが必要です。
新型コロナウイルス抗原検査キットの対象は、ヒトの鼻粘膜上皮細胞であり、オレンジジュースはサンプリングの対象に当てはまりません。そのため、どんな結果が出ても有効とはならないのです。
なぜみかんで抗原検査キットが偽陽性になるのか?
なぜみかんやオレンジジュースで抗原検査キットが陽性になるのかというと、pH値が関係していると考えられます。
柑橘系の果物に含まれる酸性物質が、抗原検査キットの構造を破壊して測定可能なpH値環境を壊します。
ですので、みかんやオレンジジュースで出た陽性の結果は、正確ではないのです。実際、2021年にドイツで行われた実験でも同様のことが行われています。
オレンジジュースやコカ・コーラ、ファンタ、レッドブルなどの飲み物を使い、抗原検査キットに使用します。
結果は陽性のTラインに線が現れ、陽性となりました。
しかし、これらの飲み物には新型コロナウイルスは検出されず、この結果は偽陽性の結果と言えるでしょう。
抗原検査を少しでも楽しく前向きに?!
中国では毎日のように抗原検査、PCR検査を行わねばならない日常で、少しでも楽しむためでしょうか?検査キットを可愛らしくカスタマイズする人たちのSNS投稿も多く見かけます。中にはおしゃれなデザインの検査キットの販売されています。
中国国内では検査は義務ではないですが、電車に乗るにも会社に出社するのも、レストランなどに入店するのも72時間以内の陽性証明書が必要でした。検査した検査キットでは陽性を証明できず、スマートフォン上に検査結果を反映させて検査結果を持ち歩きます。なので、中国の多くの国民はPCR検査を受けなければ生活が成り立たず、検査場も至る所にあるので気軽に検査を行いスマートフォン上のアプリを更新していました。
フェイクニュースが溢れる中国SNS
中国政府の長かった「ゼロコロナ」政策が緩和され、喜んだのも束の間。
中国内の新型コロナウイルス感染者が急増し、それと共に様々な笑ってしまいそうなフェイクニュースも飛び交っています。
今回のみかんを食べて抗原検査キットが陽性になるというニュースは、直接みかんの汁をたらすと偽陽性が出る可能性があるというもので、みかんを食べたから新型コロナウイルスにかかるというのは誤った情報であります。
混乱している時期には、こういったフェイクニュースが出て更なるパニックを生んでしまうので、自分で調べて真相を確かめることが大切ですね。