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中国人が日本の風邪薬を大量転売から爆買いの兆し?!

「ゼロコロナ」政策が2022年12月より緩和され、新型コロナウイルスの感染拡大が急増している中国。その中「コロナ」終了宣言?!そのため、中国国内では抗原検査キットや解熱剤が飛ぶように売れ、手に入らない状態が続いています。中国で風邪薬や抗原検査キットが入手困難の中、日本でも風邪薬が買い占められ、中国へ転売されるという現象が起きています。
昨日、厚生労働省からドラッグストアや薬局に購入制限などを行い、買い占めを防ぐ対策をとるよう要請がありました。12月初旬ごろから、日本国内のドラッグストアや薬局ではある一定の薬の売り切れが続くなど、中国でのコロナ感染拡大が私たちの生活にも少なからず影響が出てきました。

日本の風邪薬が爆買いされている背景

2022年は中国政府の「ゼロコロナ」政策が緩和されてから、国内では新型コロナウイルス感染者が急増し、咳止めや解熱剤などの薬の欠品が続いていました。

そんな中、咳止めや解熱に効果のあるこちらの「连花清瘟胶囊」を高額で販売する業者も出てきて、中国政府から処罰を受けました。2022年11月の「连花清瘟胶囊」の価格は一箱23.5〜32元だったのに対し、12月5日は99元で販売されている状態。緩和から感染が一気に広がったため、買いだめして高額で転売する輩も増え、2022年の年末はかなり混乱が広まっていました。そのため、中国国内で医療物資の供給が賄いきれていない状況が続いたので、日本の風邪薬にも手が伸びる結果となったのです。

転売目的で日本の風邪薬を爆買い

日本の風邪薬を購入しているのは、代购(買い付け代行サービス)という存在です。
代购は、海外の商品を大量に購入して、中国本土へ持って帰り、中国人消費者へ販売する個人や企業のことです。
新型コロナウイルスが流行する2020年以前、インバウンドが盛んだった頃、多くの代购が日本の家電や化粧品などを爆買いし、中国人消費者へ転売していました。
今回もこの代购が日本だけではなく、韓国や欧州など世界中から風邪薬や解熱剤を大量購入して中国へ転売しているのです。

代购が爆買いしている日本の風邪薬とは?

今回、主に爆買いされていた商品は、大正製薬のパブロンゴールドAで、東京都内の薬局ではずっと品切れが続いていると言います。

なぜ今回、風邪薬である大正製薬のパブロンゴールドAが爆買いされているのかというと、SNS上で日本人女性が新型コロナウイルス陽性に大正製薬の商品が陽性予防に効き目があると話していたことが理由に挙げられます。

「今天早上看到一个日本姐妹怒斥代购说大正可以预防阳(今日の朝、日本人のお姉さんが代理購入の人に怒って大正製薬の薬は陽性の予防になると言ったのをみました。)」

しかし中国国内で、「日本の専門家の話では、現在日本で新型コロナウイルスの治療に特化している薬剤は、アメリカのファイザーグループが開発した「パキロビッドパック」と、メルク社の「モルヌプラビル」だと」言われています。そのため、なぜ大正製薬のパブロンゴールドAが新型コロナウイルスに使われているのかは不明です。
また大正製薬のパブロンゴールドAと「连花清瘟胶囊」は全く別成分の薬で、なぜパブロンゴールドAとが「连花清瘟胶囊」の代替え品として使われているのかも理由が明確にわかっていません。
日本人医学博士の医師が、ある論文で市販の風邪薬が新型コロナウイルスの症状を和らげることができると指摘しています。新型コロナウイルスの発熱や咳・頭痛・関節痛などの重度の症状に対しての治療ではなく、症状の緩和は期待できると話しています。


そのため、中国のネット上では大正製薬のパブロンゴールドAを服用して症状が緩和したという投稿もみられたため、今回の爆買いに至ったのだと予想されます。

そのほか転売されたり、需要の高いものは、
熱さまシート(小林製薬
イブクイック(エスエス製薬)
ロキソニンS(第一三共ヘルスケア)などが転売されているのを、よく見かけます。
中には新型コロナウイルス感染症の内服薬Paxlovidパキロビッドも転売され、12,000元(約24万円)以上で販売されています。

中国の医療費の実態

中国の医療保険制度の加入は強制と任意があり、日本のような国民皆保険ではないのが現状です。
都市で働く会社員は医療保険の加入が義務付けられていますが、都市の非就労者や農村の住民は任意加入となっています。また、下記の表のように、本人の戸籍や就業の有無によって大きく2つに分類されています。

ニッセイ基礎研究所より

地域や条件によって異なりますが、基本的に2段階で給付できるような制度が設けられています。
日本と日本と異なる点は、限度額が設けられており、高額医療に関して20万元の限度額を超える医療費は自己負担となります。
通院や一般外来の場合、日本だと治療後に医療費を支払いますが、中国は事前に支払いを終えてから診察・検査となります。

新型コロナウイルス感染後の治療費用の医療保険適用

地域によって医療保険の政策が多少変わってきますが、各都市の医療保険制度は新型コロナウイルスの診察費や治療費を適用する仕組みを2023年3月末までの期限として取り入れています。
コロナ感染治療薬のPaxlovidパキロビッドは、今年の3月31日まで医療保険の対象となり、実費は189元です。(パキロビッド一箱1890元 約36,000円)
2023年3月31日まで、新型コロナウイルス陽性が確定した場合の治療費用は保険適用になり、全額無料で受けられます。ただし、救急医療機関を利用し先払いした場合の保証金額は70%以上となります。

PCR検査の費用

2022年の中国では、4・5月のロックダウン以降、PCR検査が日常的に行われてきました。
その間、何度か自費になるとの予告がありましたが、「ゼロコロナ」政策が緩和されるまでは自費が実施されることはありませんでした。
2023年1月8日からの政策では、今後はPCR検査の無料検査を継続しないことを決定しました。
この新しい政策に伴い、上海の嘉定区では1月8日の0時から、PCR検査1回16元 約300円(1人1本)で実施されています。
「ゼロコロナ」政策の終了宣言が出てから、発熱などの理由でPCR検査を受ける場合、16元 約300円/回の費用が自費で必要となります。

中国人の買い占めにより、アフターコロナの爆買いに期待の声

3年間行われていた中国の「ゼロコロナ」政策が緩和されたと同時に、新型コロナウイルスの感染者が急増し混乱を招いた中国。風邪薬や解熱剤・抗原検査キットが市場から一気になくなり、高額で転売する業者も出てきたりと2022年の年末は不安な状況が続きました。
そんな中、日本の風邪薬を爆買いする代购(買い付け代行サービス)も出てきて、日本の薬局から風邪薬がなくなるという現象も起きました。コロナ前の爆買いブーム時に、日本の医薬品は中国で「神薬」と呼ばれていました。コロナで往来できなくなって3年経ちましたが、まだまだ日本の「神薬」の人気は健在です。
毎度中国人の買い占めには驚くばかりですが、今回の「ゼロコロナ」政策緩和と共に、中国人が海外に旅行できるようになるだろう2023年へのインバウンド経済効果が期待され、日本現地での爆買いの復活が予想されるでしょう。

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Chika Kagami

Chika Kagami

SheChina編集長

SheChina編集長。
20年ほどの日中間での職歴、海外情報収集力と市場創造力を活かし念願の今のリアル中国を伝えるメディアを設立。 日本化粧品のiapetusでは、「断黒」という造語を作り、2021年中国美容用語のトレンド入りさせた。 趣味:旅行/ゴルフ/中国

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