東京や大阪などで、大手百貨店や高級ブラントの店舗に並ぶ外国人観光客の行列を見たことがある人も多いのではないでしょうか?
日本の免税制度に大きな抜け穴があり、一部の外国人観光客が免税制度を不正に利用し、転売で利益を得るケースが見られます。この問題に対し、日本政府も免税制度の見直しを検討しています。
今回は免税制度の不正利用の実態、制度見直し、中国での反響についてレポートしていきます。
免税制度の不正利用の実態
日本を訪れる外国人観光客は現在急増しています。外国人観光客によって生まれる経済効果は日本の観光業だけでなく、小売業、サービス業にとっても大きなメリットとなっています。しかし、同時にこれまでなかった問題が生まれています。中でも大きな問題として挙げられるのが、免税制度を悪用する外国籍転売ヤーや転売業者の存在です。中国の学生たちや「国際購買代理店」が日本で買い物代行を行い、免税制度を利用して利益を得る事例が報告されています。
日本の免税制度の抜け穴「税金還付方式」
日本の免税制度は、購入した商品を日本国内で使用せず、海外に持ち出すことが前提となり、消費税の負担が免除されます。しかし、商品購入時にはパスポートで入国日や在留資格を確認することはできても、その後転売せず、購入した外国人が海外に持ち出すことを保証することはできません。
EU加盟国や韓国などではいったん支払った税金が出国時に空港で商品を確認した上で払い戻される、という仕組みになっています。旅行客にとって、このような免税手続きは煩雑で、旅行シーズンなど空港が混雑する時期だと、長蛇の列ができることもしばしばあります。
それに対し、日本の免税制度は店舗で完結するため、空港で列に並ぶ必要はなく、商品を確認されることもありません。本来の日本の免税制度は外国人観光客にとってとても便利な制度なのです。
日本政府も制度の見直しを検討
しかし、日本の免税制度を悪用し、不正に利益を得るケースが横行していることもあり、日本政府は免税制度の見直しを検討する方向です。具体的には、税金還付方式を中止し、諸外国同様、購入時に消費税を含めた金額で支払いを行い、出国手続きの際に商品を確認した上で、消費税分を払い戻す方式に切り替えることが検討されています。年内に制度を固めて、2025年度以降の実施が目指されています。
中国国内での反響
中国のソーシャルメディアプラットフォームである小红书(REDBOOK)でも、日本の免税制度に関する投稿がいくつも見られました。日本は中国人にとって人気のある観光地であり、免税制度の変更は中国の旅行者にも影響を与える可能性があります。
このように、本来便利であるはずの免税制度が悪用される事例が増え、日本政府は早急な対策が求められています。