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美しさは外見から!中国エステサロン最新事情

中国人の生活水準の向上と最近の「顔面偏差値経済」も後押しし、ここ数年中国美容産業の発展は目覚ましいものです。中国人はもともとめんどくさがり屋で、自分でホームケアを頑張るよりも、エステサロン に行ってプロにケアをしてもらうという合理的な考えを持っています。
そのため美容産業が消費者に受け入れられやすく、今後も伸びていくことが予想されます。今回は、中国の最新エステ事情や現地のエステ事情についてご紹介していきます。

中国エステ市場の傾向

2015年から2021年にかけて、中国のエステ・ヘア業界の市場規模は右肩上がりで伸びており、2021年には4026億元に達しました。

この発達の背景には、下記のことが影響しています。

美しさは外面からという思考
中国の「顔面偏差値経済」が訪れてから、より見た目を重視するようになりました。
そのため、見た目をより良くするためにエステに通ったり、医療美容を行う層が増えました。
以前まで、中国の美は顔だけに限定されていましたが、最近ではトータルビューティーでボディケアをする人も増え、美意識も生活水準も上がってきていることがわかります。
Z世代などの若い消費者は、美しさを外見に求めることが多く、顔のスキンケアだけではなく、ヘア、歯、体型など、トータルで考えるように変化してきています。

ハンドマッサージから美容機器のトリートメントへ


ハンドマッサージは伝統的なエステティックの手法で、快感ホルモンであるオキシトシンが分泌され、幸福を感じやすいなどの効果があり、多くの消費者に愛され続けています。しかし、近年エステティックの世界では、美容マシンでの施術が盛んに行われており、ハンドマッサージよりも機械施術の方が多くなっています。
理由としては、中国のエステティシャンの離職率と深く関係しています。
ハンドマッサージはトレーニング期間が長く、教育を終えて一人前になる頃に離職されてしまっては、企業側も投資した時間と費用が無駄になってしまいます。
一方機械はトレーニング期間が短く、エステティシャンの経験が浅いスタッフでも、しっかりとした効果を出せるので、エステサロン管理の面から見ても合理的です。

プチ整形
医療美容の技術が発展するにつれて、プチ整形の価格も手が届きやすい価格になりました。
さらに、芸能人やインフルエンサーなどが自身のプチ整形体験談を公開しており、プチ整形は日常的なケアの一部となっています。
中国では、水光針やサーマクールなどの医療美容をエステサロンで行っているところが多くあります。
法律上違反ですが、すぐに効果が実感できるメニューを求める消費者の需要から、隠れてプチ整形を行なっているサロンがあるのが現状です。
消費者自身も病院よりも価格が安いからという理由で、疑いもなく施術を受けています。

美容の若年化
通常のアンチエイジングは抗老化を目的とし、いつまでも若々しく身体や肌の維持を目的としています。
しかし、「顔面偏差値社会」では、多くの消費者は老化をできるだけ早く予防するためにアンチエイジングを行うようになってきています。
新世代の親たちは、生活水準の向上から彼らの子供たちを美容トリートメントに積極的に連れていくようになりました。そのため、若い年齢でもスキンケアに着目し、医療美容も積極的に行うようになってきています。

捜狸.comより



男性の美容意識の向上
以前まで美容は女性の特権とされてきましたが、近年男性も見た目に気を配るようになってきました。
メンズ用コスメやメイクなどはもちろん、男性もエステサロン や医療美容に積極的に通うようになりました。
「顔面偏差値社会」の到来により、男性の美に対する要求が高くなっているのです。

百度より

日式エステサロンが急増した背景

中国では、2017年以降「日式」をうたう美容サロンが急増し、今でも増え続けています。
その背景には3つの理由があります。

日本の本格的なサービスを受けたいという消費者の需要
中国人の生活水準の向上で、2013年以降日本へ旅行に行く中国人が激増しました。
その中で、日本のサービスに感動した中国人たちが、国内でも日本流のサービスを受けたいという需要が高まったために、「日式」と呼ばれるサロンが次々と出てきました。

韓国との関係悪化
2017年、韓国の米迎撃ミサイルTHAAD(サード)配備を巡り、中韓関係は悪化しました。
そのため、以前まで韓国式でサービスを展開していたサロンやスクールにまで影響が及び、集客ができない状況まで追い込まれました。その解決策として、多くのサロンやスクールが韓国式から日式へのシフトチェンジを行い、「日式」を教えるスクールも増えていきました。

安心安全のイメージ
中国人の中で、日本の製品やサービスは安心安全というイメージが確立されています。
特に富裕層は、家で使うものは全て日本製という家庭も多いほど、日本ブランドは浸透しています。
安心安全のイメージを植え付けるために、「日式」の名前をつける美容サロンオーナーが急増しました。

中国で流行しているエステのコース

現在中国で流行しているエステは、パーツごとのカラフルなマスクが流行しています。

OPHYTO(奥菲朵)は30年の歴史があるベルギー の会社で、温泉療法と美容の技術を合わせたSPA専用のブランドです。
その商品の中で、一際目を引くカラフルなマスク。
ヨーロッパの貴婦人たちに大人気ということで、中国でもレッドブック(小红书)やTikTokで紹介され、関心が高まっています。

エステサロンの業務用化粧品の現状

現在中国で扱われているプロ用化粧品は、日本を始め、韓国、アメリカ、フランス、ベルギー 、イスラエルの化粧品が多く扱われています。
日式エステサロン は、日本の業務用化粧品を使うことが多いので、「MTメタトロン」「POLA」「ポリシー化粧品」などを扱っているサロンがほとんどです。
近年、中国の輸入化粧品衛生許可の申請がより厳しくなり、新しく参入する海外の化粧品ブランドはハードルが高くなってきています。

まとめ

「顔面偏差値経済」も後押しし、中国の美に対する要求が高まり、エステで肌や身体のケアをする人はどんどん増加しています。
生活水準の向上により若い世代の親は、自分の子どもを積極的にエステへ通わせているので、若い世代もスキンケアや美容情報に敏感です。
若い世代や男性も美意識が高くなってきている中国、美容業界は今後も発展していくことが予想されます。

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Chika Kagami

Chika Kagami

SheChina編集長

SheChina編集長。
20年ほどの日中間での職歴、海外情報収集力と市場創造力を活かし念願の今のリアル中国を伝えるメディアを設立。 日本化粧品のiapetusでは、「断黒」という造語を作り、2021年中国美容用語のトレンド入りさせた。 趣味:旅行/ゴルフ/中国

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