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2022年「双11」売り上げが伸びた商品カテゴリー!

11月11日、EC最大手のアリババ グループを中心に、大規模セールを行う「独身の日」が幕を下ろしました。
今年で14年目になる双11(ダブルイレブン)は、毎年お祭り騒ぎになるイベントなのですが、今年初めてGMV(流通取引総額)を非公開とし、落ち着きのある雰囲気で終了しました。新型コロナウイルスの政府による政策で、経済に大きなダメージを与えている中国経済。
今年中国人消費者たちが購入した商品をご紹介していきます。

2022年の双11(ダブルイレブン)は爆買いよりも理性的な消費へ

今年の中国は、政府が「0コロナ政策」を掲げ各地でロックダウンが続いたため、経済的な負担が深刻となっています。その影響もあり、中国人消費者の買い物は、爆買いから節約などの理性的な消費傾向に変化してきています。特に「Z世代」の若者は、消費に対してシビアになっており「絶対に必要のないものでなければ買わない」という人が大半です。
コロナウイルスによる長期的なロックダウンで、より多くの若者は、必要最低限なものだけあればいいことに気づきました。また、不景気の影響で給与が下がるなど、先行き不安な状況で、目先の消費よりも将来への蓄えに回す人が後を立たなくなりました。そのため、今年は節約や衝動買いではなく、ゆっくり検討して購入する人が増加しました。

海外製品から中国国内ブランドへ

例年の双11(ダブルイレブン)では、多くの中国人消費者がAppleやロレアル化粧品などの海外ブランドを購入してきました。しかし、今年は習近平率いる共産党の監視が強く、国内企業を支援するように仕組み化された閉鎖的なものとなりました。
近年の双11(ダブルイレブン)は、11月11日1日限りのイベントではなく、数週間にわたるイベントになっています。今年は10月下旬から始まりましたが、化粧品、ファッション、家電など、複数の製品カテゴリーで中国ブランドがトップの座を占めています。
天猫(Tmall)では、売上上位100ブランドの半分以上を中国ブランドが占める結果となりました。

中国製品で売れているブランド

薇诺娜(WINONA)

薇诺娜公式サイトより

中国雲南省のブランドで、創業から12年になるスキンケアブランドです。
今年の双11(ダブルイレブン)では、天猫(Tmall)の美容カテゴリー売上トップ6にランクインされ、5年連続で天猫(Tmall)美容スキンケアトップ10入りを果たした唯一の中国国内ブランドとなりました。
乳児や幼児のスキンケア商品も展開し、今後も成長が続いていく中国国内ブランドです。

波司登(BOSIDENG)

波司登公式サイトより

1976年に創立されたダウンジャケットをメインに販売しているブランドです。
今年の双11(ダブルイレブン)では、天猫(Tmall)の女性アパレルカテゴリー部門トップ1、男性アパレル部門ではトップ2にランクインしました。
波司登(BOSIDENG)は、中国政府が外国人政府関係者へのお贈り物として使われることが多く、品質もとても良いブランドです。

安踏(ANTA)

安踏公式サイトより

1991年に設立され、中国の消費者に長年愛されているプロスポーツ用品を扱うブランドです。
今年の双11(ダブルイレブン)の11月10日22時25分、安踏(ANTA)の公式旗艦店のページビューは12億4900万を超えました。とても注目度の高いブランドです。

2022年の双11(ダブルイレブン)で売り上げが伸びた商品カテゴリー

今年で14年目になる双11(ダブルイレブン)は、例年とは異なるイベントの結果となりました。イベント中に売り上げが伸びた商品はこちらです。

史上最惨双 11,2022 年各大电商平台表现解读分析

こちらの表より、家電が40.6%、ペット関係の製品は44.2%、文房具が11.4%となっています。
家電製品は、キッチンアプライアンスや、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の販売の伸びが良くそれぞれ6〜28%増加しました。
ペット製品に関して、中国のペット所有人口は1億人以上で、多くのアナリストが1,000億レベルのブルーオーシャンマーケットの戦いが始まったと伝えています。
今年の11月10日の20時に始まったイベントでは、新ブランドのペット用冷凍食品が開始後10分で、年間売上の5倍以上の数字に増加しました。
例年騒がれる化粧品やファッションブランドなどはマイナス成長となり、数字からも2022年の双11(ダブルイレブン)は変化していることがわかります。
消費者のライフスタイルと習慣の変化から、新しい消費先が急速に成長するようになっていることが明確にわかる結果となりました。

理性的な消費と環境に配慮する買い物

今年の消費者は、「理性」と「グリーン商品」がキーワードとなりました。
湖南省の長沙在住の女性は、「今年、双11(ダブルイレブン)で買ったものは多くありませんが、全て必要最低限のものを購入しました。」と語っています。
多くの消費者は、過去の双11(ダブルイレブン)のタイミングで、価格が安くなるので衝動的に買いだめをしていました。しかし、今年はロスを無くすという考えが浸透してきており、合理的で健康的な消費を行う人が増加。
長期的に投資することで、リターンを得られるようなスポーツやフィットネスなどの健康・教育に消費する人が増えました。
また、近年深刻な気候変動や地球温暖化の環境問題から、世界的に環境へ配慮する優しい商品を購入していこうという動きが見られています。


これは中国でも同じで、様々な場所でグリーンエネルギーの使用や低炭素消費の概念などが浸透しています。
そのため、双11(ダブルイレブン)も、節電家電やグリーン食品などの「グリーン表示」のものが多く並びました。
ある百貨店では、全国に再生可能な「グリーンエクスプレスバッグ」を起用し、衣料品のリサイクルやスキンケアのボトルリサイクルができる場を設け、環境保全に訴える活動を伝えました。

凤凰网より

銀髪経済(シルバー経済)で発展する健康ビジネス

凤凰网より

日本だけではなく、中国でも高齢化の波が急速に押し寄せています。
そのため、銀髪経済(シルバー経済)と呼ばれる、高齢者のレジャーやヘルスケアのサービスなどが近年発展しています。
双11(ダブルイレブン)でも、心拍数や呼吸などを実際に図ることができる5Gのケアベッドや高齢者のための栄養素や味を考慮した粉ミルク、Bluetoothの補聴器などが人気でした。
また、医療検査サービスや栄養及び健康食品、家庭用医療機器などを購入する人が増加しました。
中国の高齢者人口は多く、今後の高齢者製品とサービスのマーケットは可能性が非常に高いと予想されます。

今までとは大きく違った双11

今年の双11(ダブルイレブン)は、例年とは異なり落ち着いたイベントとなりました。
中国政府の「0コロナ対策」により、経済的ダメージを受けている消費者は、商品購入に対して以前よりもシビアになり、理性的な買い物をするように変化しています。また、深刻な地球温暖化など環境に配慮する動きが中国でも強くなってきており、無駄を無くすよう最低限の買い物をする人が増えました。
イベントが始まって14年目になる双11(ダブルイレブン)。
年々消費者のニーズが多様化し、購買活動が複雑になってきて、盛り上がりにかける今年の双11(ダブルイレブン)のイベントでしたが、中国国内商品の品質向上などで、国内製品を求める消費者も多くなってきています。
経済レベルの向上に伴い、自国の文化に敬意を払うようになり、来年の双11(ダブルイレブン)がどのような結果になるのか今から楽しみであります。

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